錦鯉鑑賞池拡張工事
今ある庭池をもっと大きくして欲しい
|
鑑賞池の拡張工事のほか
ろ過循環システムの依頼を受けました。
|
工事前 |
工事前の池環境
1.5×3×0.5(深)mただの水たまりの池
現在飼育している錦鯉が大きくなり手狭になってきました。
下から石組みの池の為、石に当たって愛鯉が怪我をしたこともありました。
底水配管や沈殿分離槽といった水造りに必要な設備はないただの水たまりの池でした。
錦鯉を飼育するうちに水造りの必要性をご理解いただき、
メンテが容易で水造りができる機能的な鑑賞池造りをご用命いただきました。
工事中錦鯉は一時預かり池へ避難させます。
池の水を抜きます。
池の水を抜きます。
水中ポンプセットを使用し、池の水をどんどん抜いてゆきます。
大容量ですので池水の汲み上げ、排水、水抜き 濾過槽の掃除用に、便利なアイテムです。
水中ポンプセット→こちら
下からの石組は錦鯉の怪我のもと
石とセメントは絶対にひっつきません。水漏れのもと
|
池改修後の予定
4×6×1.2(深)mひょうたん型
総水量約20t 錦鯉の飼える和風鑑賞池
沈殿分離槽・スーパーマリン併設の
京阪錦鯉濾過システムを導入 |
既存池解体 |
既存の池を解体してゆきます。
通路が狭く大型重機が使用できないため、
ミニユンボ・クモクレーン・キャリーなど小回りのきく重機で作業します。
土間ハツリ 強力なコンプレッサーで一気に破壊します。
ミニユンボが入りやすいように坂を作り養生します。 |
掘削 |
錦鯉を健康に育成させる為、水深を1.2mに掘り下げます。
現場によっては作業の容易な場所ばかりではありません。
そんなときでも最適な重機を駆使し、作業を進めてゆきます。
道幅の細い所でもキャリーはスイスイ進んでゆきます。
掘った土はキャリーに積み込み、クレーンで積み降ろしダンプに載せます。
池を大きく拡張するためどんどんユンボで掘り進みます。
掘っても掘っても土が出てきますが負けずに掘り進みます。
|
底水配管 |
排水管を埋設します。
沈殿分離槽・底水配管部分など余分に掘っていきます。
底水配管工事
比重の重たいアンモニア・硝酸・亜硝酸を効率よく浄化循環させる池造りに大切な工事です。
この配管があるのと無いのとでは浄化効率(飼育水の出来)に格段の違いが見られます。
池水は集水ピットからサイフォン現象を利用して沈殿分離槽に集水し、
ポンプアップして強制濾過機に水を循環します。
このシステムはポンプアップを開始するだけで
池底面の不純物がどんどん沈殿分離槽に集水されますので
非常に効率の良い濾過循環が可能になります。
※サイホン現象とは、2つの水槽間を管でつないだときに、管の中が水で満たされると、
2つの水槽の水位が同じになろうとする現象です。
水の中にすむ魚のおしっこやエサの食べかすは比重が重たいので池の底に沈みます。
その悪い水を沈殿槽に集約し、効率よく濾過・浄化循環するために必要です。
その為に必要な池底集水ピットユニット
集水ピットユニットがあれば池底工事が楽に効率よく工事でき、作業日数の短縮にもつながります。
底水配管工は池の底下に埋設する配管ですので、池を造ってしまってからでは大がかりな工事を必要とします。
池造りは最初が肝心といわれる所以(ゆえん)です。
|
クラッシャー敷き・ |
均一にクラッシャーを敷いてゆきます。
|
ステコン |
コンクリートミキサー車から生コンが運ばれてきました。
まんべんなく均してゆきます。 |
ブロック積み |
ひょうたん型にブロックを積んでゆきます。
和風だからといって下から石組はしません。
石とモルタルはひっつきません。石組の目地は水漏れの原因になるからです。
そういうノウハウを知らないと池造りは失敗に終わります。
沈殿分離槽も一緒にブロック積みします。 |
沈殿分離槽は池底より20㎝高く設定されております。
|
CBブロック(オール充填用)
一般にはあまり流通しませんが、縦横共に穴の開いたオール充填用というブロックを使用します。
オール充填とはブロックの空洞部分全てにモルタルを充填する工法で、
普通のブロックなどでは継ぎ手部分と鉄筋の所だけ充填するという違いがあります。
|
石組工事 |
景観に配慮し、なおかつ錦鯉が怪我しないように慎重に石を組んでゆきます。
お施主様の要望で滝を作製します。
|
石橋搬入 |
長さ8mの巨大な石橋をレッカーで釣り上げます。
石橋は白石島産(白石島御影)
白石島は、笠岡諸島という瀬戸内海にある小さな島々の中の一つで、
とても小さな島ですが、白石島御影という素晴らしい御影石が採れる産地です。
慎重に据付けます。
石を組み終わると池らしくなってきました。
|
左官モルタルコテ仕上げ |
腕の良い左官職人によってしっかりと「おさえ」をしてもらいます。 防水塗料だけを塗ればいいという声も聞きますが、塗料によってはアクが生き物に害を及ぼすこともあります。 素人ではできないたくみの技でもあります、普通に壁を塗るのとはわけが違います。
「おさえ」がしっかりできてないと水漏れの原因のほかにあく抜きができない池の裏側から
アクが出て大切な錦鯉が死ぬ原因にもなり、せっかくの池作りは失敗に終わります。 ※最高に「おさえ」ができている壁面は自分の顔が鏡のように映ります。 「おさえ」をしっかりできることが水漏れをしない最大のポイントといっても過言ではありません。
「おさえ」ができてなければ防水モルタルを使っても意味がないので、使用してません。
|
池用塗料 |
錦鯉をより見栄え良く、健康に育成できるよう鑑賞池用塗料を塗ります。
黒色が錦鯉にとって一番落ち着く色で、綺麗に見え引き立ちます。
水を張ってない状態だと黒一色で、不気味だなぁと思うかもしれませんが、ご安心下さい。
逆に池に明るい色を塗ると錦鯉が落ち着かず、キワがぼけ綺麗に見えません。
また、池自体が強調されすぎて周りの景色とのバランスが崩れてしまいます。
水色とか塗る池があるそうですが、時間が経つとコケがつくのでむしろ意味が無くなります。
鑑賞池用塗料
|
水張り・試運転調整 |
水を張って試運転調整 錦鯉を放流します。
|
ろ過設備 |
生物膜式循環濾過機スーパーマリンNEW-520設置 「魚を買う前にまず水を飼え」をいわれるようにまず池を作ったら、水を造ります。 水造りとは生き物が健康に住むための水を作ることです。 その結果、水が透明になり、錦鯉を鑑賞できる透明度を維持することができます。 水造りに手間をかけないと後々、アオコや水のにごりに苦労します。
そうしないためにも、水つくりをよく考えましょう。
手間要らずの水造りを実現します。
この濾過装置には物理濾過と生物濾過を一緒に行うシステムになっており、 レバーを操作するだけで簡単に逆洗・濾材洗浄が出来るようになっております。
非常にコストパフォーマンスに優れた装置です。 既設の池でも優れた効果を発揮します。 |
完成 |
錦鯉の飼える和風鑑賞池(庭池)
4×6×1.2(深)mひょうたん型 総水量約20t
~京阪錦鯉濾過システム概要~
循環濾過:スーパーマリンNEW-520
生物膜式循環濾過方式
循環ポンプ:400W/100V(水中ポンプ)
濾過処理水経路:アクアジェット(ろ過処理水)
鑑賞池用池底集水ピットユニットPIT-580□*2基
底水配管・低水排水・沈殿分離槽(サイフォン方式)
生物処理槽(濾材ヘチマロン)
爆気装置:アクアジェット(濾過処理水)
新水:水道水
使用石材:外周(丹波石) 渡り石(白石島御影石)
設計・施工:(株)京阪水処理開発 京阪錦鯉センター
参考施工価格帯 |
|
150~250万円 |
○ |
250~350万円 |
|
350~500万円 |
|
500万円以上 |
|
|
下から石組しなくても水を張れば、立派な和風鑑賞池になります。
下から石組しても池の中には苔が生えますので、石を組む意味はなくなります。
池の中は恰好を重視するより機能性を重視します。
池はキャンバス 錦鯉は絵の具 鑑賞池は素敵な動く絵画のようです。
池の中は錦鯉の習性や水質のことを考慮し、錦鯉が怪我しないよう、障害物はなくしております。
池の外は景観に配慮した和風構造になっております。
お施主様にも大変喜んで頂きました。錦鯉も大きい池に移送され喜んでいるようです。
ブログでも製作工程公開中!!http://koibest.blog.so-net.ne.jp/2010-10-01
|